『天官賜福』原作2巻まで読んで花城さんの推し活道に感動した話

オタ活
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『天官賜福』って中華小説をご存知でしょうか。作者は墨香銅臭(MXTX)先生、ジャンルは中華ファンタジー(BL)です。

著:墨香銅臭, 翻訳:鄭穎馨, その他:日出的小太陽
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少し前にアニメ1期が日本で放送され、この記事を執筆している2023年11月時点でアニメ第2期が放送中です。

私はまだアニメ2期の配信が視聴できていませんが、アニメ1期は履修済。アニメで三郎ちゃんに脳内ハックされ、その後に原作1巻(翻訳版)を発売日当日にゲットして読み、翻訳版2巻を読み、夏が過ぎ秋が過ぎ風あざみ……。

チカ
チカ

発売延期となった翻訳版3巻を心待ちにしております。

原作2巻読了までの感想をここで書いて見ようと思った次第です。ちなみにアニメ1期感想はこちら。

関連記事:アニメ『天官賜福』感想|三郎の可愛さで駆け抜ける全12話

正直、アニメの時点で私は完全にこの作品……っていうか三郎ちゃん花城さんのキャラとしての深みを舐めていました。原作の花城さん最高だなって話をします。

1巻読んでやっとわかった「まだ恋愛じゃない」の理由

墨香銅臭先生の作品を読むのは『天官賜福』が2作目です。

アニメ1期から恋愛を匂わせる表現が強い印象を受けたのですが、原作は恋愛描写がかなり薄味で、まずそこに驚きました。

チカ
チカ

魔道祖師の原作では早い段階から恋愛感情が滲んでいたので、殿下に対する三郎の描写が恋愛に見えないのって意図的だよね?

三郎の正体は鬼王・花城だってのは序盤から予想つくんですが、恋愛視点を抜いた状態で1巻を読み進めると、三郎の印象がアニメとまるで異なります

  • 花城が三郎に化けて殿下に接近した目的が見えない
  • 企みがあって接近した割に、殿下への対応がめちゃくちゃ慎重

三郎にとっての殿下のポジションが1巻の半月国編までよくわからない。周囲が殿下に「とにかく気をつけろ」としか言いようがないのも頷けます。

チカ
チカ

アニメだと「狙ってんじゃないの?」て思って流してた。ごめん、霊文……。

原作だと、裴宿と半月の関係のがまだわかりやすいです。

物語構成はアニメと原作で同じはずなのに、アニメは「キレイなお姉さん(のような武神)と年下彼氏のラブストーリー」、原作は「正体不明の不思議な少年にまつわるミステリー」ってくらい違う……!!

魔道祖師の原作にて作者の天才ストーリーテラーっぷりに感動したのですが、天官賜福でも登場人物の魅力を表現しつつ伏線張りまくる神業にビビります。

「三郎ちゃん可愛いーー!」としか言わんかったアニメ視聴中の私、何だったんだ。これまだぜんぜん恋愛じゃないわ。

恋愛じゃなくて推し活(信仰)800年だった

帯の言葉を参考にするなら、どうも三郎こと花城は殿下大好き歴800年らしいですね。

エビさん
エビさん

800年の恋愛って人間には長すぎて共感が難しくない?

チカ
チカ

そうなんだけど、恋愛以外の感情のが強かったとしたら納得いくんよ。

1巻の後半、菩薺観にて三郎が自分の正体を打ち明けたシーンで、彼が殿下を深く敬愛しているらしいことが明らかになります。私はここで、三郎こと花城の気持ちは恋愛というより推しへの想いに近いのでは、と思いました(ガチ恋かは不明)。

推しに対する行動と考えると、与君山で何も話さずに案内だけして終わったことも、殿下に花城から気安く距離を縮めることがなかったのも何となくわかります。

おしゃれした姿で仲良くなったけれど「本当の自分はこんなんじゃないんだ」とか言っちゃうのもわかります。

それで「君は友だちだから姿形は気にしない」とか真摯に返されたら震えるのわかる。

わかる!!!!(共感の嵐)

800年続くのもわかるよ。だって!だって推しへの思いって信仰じゃん!!信仰が混ざってるならそりゃ永遠だわ……!!!

……って思っていたところで始まる鬼市のサイコロシーン。

剥がしのいない握手会かよ!!!(おめでとう)

でも、そのあと賭けの代償にかこつけて、思い余って送り付けた記入済み婚姻届け骨灰っぽい指輪を返却する機会を与えるあたり(そういう意味だと解釈しています)、花城のいじらしさ全開で胸がギュッとなりました。

MXTX作品の主要キャラって、ほんと外見と中身のギャップがえぐい。こんな、こんな平成の俺様キャラみたいな外見して中身は健気可愛いとか……うっ……最高です……!

そんな花城の気持ちを知ってか知らずか、食いかけの饅頭差し出して「差し出せるのがこれしかない」とか言う謝憐が眩しすぎる一番星の生まれ変わりかよ

花城視点で1巻を読み返すと、謝憐の対応ってほぼクリティカルヒットなんですよね。さすが武神やで。

推し活800年のベテランから学ぶアンチへの正しい対応

『天官賜福』原作2巻では途中から謝憐の過去話がメインになります。控えめにいって地獄

魔道祖師の過去話も地獄だったけど、まだ仙師の世界が中心だったじゃないですか。

チカ
チカ

天官賜福は国家レベルだから地獄の規模がでかい。

MXTX作品の魅力って、恋愛以外の感情表現や世界観の描写にも一切手を抜かないストイックさだと思うんですよね。追い詰め方がエグいって。

また若い頃の謝憐を、ただの“善良で優秀な王子様”ではなく、“輝くような王子様だが育ちの良さゆえの無自覚な傲慢さを持つキャラ”として描いているのが非常に巧みだと思いました。謝憐というキャラの本質と経験により変質した部分の書き分けの絶妙さに唸らせられますし、花城が再会した謝憐の何を確かめていたのかも感覚的に理解させてくれます。

ここで、謝憐を面と向かって糾弾する郎千秋と戚容に対する花城の対応が素晴らしい

誤解から過激派アンチになりかけていた郎千秋には、真実を告げて謝憐の判断に対するフェアな解釈を促します。謝憐側に立って強く擁護するのではない辺り、彼が「あの状況で謝憐は可能な限り最善の選択をした」と考えていることがうかがえます。

荒療治で感情的になった謝憐の怒りを受け止めつつ、全肯定の姿勢を貫くのも素晴らしい。たとえ推し本人と意見が対立しても、自分を曲げない筋の通った推し活。

チカ
チカ

これがあるべきファンの姿だとめちゃくちゃ感動しました。

そして、過激派ガチ勢から過激派アンチに成り下がった戚容に対しては、全力で潰しにいっています。害しかないようなアンチとは、会話すら必要ないわけですね。さすがです城主。

推しが落ち目のときに見捨てた元同担やアンチを絶対許さない徹底ぷりも、800年現役ガチ勢ならではって感じがします。強すぎる。

2巻まで読了したあとのアニメ1話見返すとやばい

2巻の時点で人間時代の花城さんの子ども時代も描かれます。

チカ
チカ

この子ども時代のなかであの太子殿下に助けられたら、そりゃ信仰に近い感情抱くわ!

アニメ1話、初見時は『一花一剣』流れても「なにかはじまったぞ???」としか思わなかったのですが、原作2巻まで読んでから見返すとヤバいっすね。

「披露宴で流れる馴れ初め動画」とか言ってマジですみませんでした。そんなレベルじゃなかった。

これ、原作読了した状態でくらったら仰げば尊死してたわ。危ない危ない。

チカ
チカ

原作3巻楽しみですねー!

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