企業メディアが公開している「おすすめアニメランキング」にまったく納得できない皆さん、こんにちは。
本記事では、40代のアニオタ主婦が、女性オタク目線で一切の忖度なしで選んだ【和風ファンタジー・歴史・時代もの】ジャンルのアニメ作品を紹介します。
適当に20も30も作品紹介するランキング記事が嫌いなので、すべて完走済み&女性でも見やすいものを厳選して5作品選んだよ!
注意!当サイトの【和風ファンタジー・歴史・時代もの】の定義
当サイトでは、以下に当てはまるものを【和風ファンタジー・歴史・時代もの】と定義しています。
- 舞台が日本または日本をモデルにした異世界であること
- 作品の時代設定が現代ではないこと
したがって「日本人キャラが異世界に転生しちゃった系アニメ」は含みません!そこんとこよろしく!
管理人完走済み!おすすめアニメ5選
平家物語
平安末期、平清盛率いる平家一門が栄華を極めようとしていた時代。ある雪の日、清盛の長子・平重盛は、屋敷に忍び込んだ琵琶法師の幼い少女・びわに「お前たちはいずれ滅ぶ」と予言を受ける。びわは未来が視える不思議な目を持っていた。
(2022年放送/監督 山田尚子/脚本 吉田玲子)
未来視ができる少女・びわを主人公に、古川日出男訳「平家物語」を原作として平家一門の栄枯盛衰を描いた傑作!個人的2022年覇権アニメ!!みんな見て…後生だから……!
平家物語が作者不明であることを逆手に取り、未来視ができる琵琶法師の少女を主人公に据えたのが斬新!彼女を語り部にすることで、「平家ってどうせ壇ノ浦で滅ぶんでしょ?」と斜に構えた私のような視聴者たちを見事に物語に巻き込んでいます。
清盛の長男・重盛は、じつはその辺に漂っている死者の見る目を持っています。びわとセットで「人に見えないものを見る力」があるわけですね。歴史のうねりのなか、2人の特異な能力が役立つ……なんて都合よくは行かず、諸行無常感が2倍になって伝わるだけなのが切ない。
山田監督らしい色彩と暗喩に溢れた画と牛尾憲輔氏のBGMが涙を誘います。最終回でrequiem phasesが流れるタイミングが神だったわ。
PVも素晴らしいのでぜひ見てください。
- 山田監督らしい光と自然の描写で、とにかく画面が美しい
- びわを演じた悠木碧さんが読む平家物語は必聴
- 古典が苦手な人も平家物語ミリしらの人も付いていける脚本
逃げ上手の若君
鎌倉末期、足利尊氏の謀反によって北条家は族滅の危機に追いやられる。鎌倉幕府の得宗・北条高時の次男で8歳の少年・北条時行は、諏訪家の協力のもと一人逃げ延び、鎌倉奪還を誓う。彼には類い稀なる“逃げ上手”の才能があった。
(2024年放送/監督 山﨑雄太/脚本 冨田頼子)
原作は週刊少年ジャンプ連載の同名漫画です。天賦の逃げの才能で絶体絶命のピンチを仲間と切り抜けつつお家復興を目指すっていう設定が面白い。半分神話が混じったような設定も出てきますが「この時代ってそーいう不思議なエピソードが多く残ってるよね」のスタンスでうまく活用しています。
この辺の時代の知識が乏しい視聴者に向けてしっかり解説が入るのも丁寧〜。歩兵や騎兵になぜ勝てないかの解説とか、知らないことが多くて勉強になります。
また演出が素晴らしくて、とくに第6話の切り絵とコマ撮りを使ったストップモーションと最終回の実写某社は度肝抜かれました。実験的な演出の数々も一見の価値ありです。
ところでOPとEDがキャラたちがノリノリで踊っているのに、登場するキャラの多くが1話で退場してびっくりしました。これが鎌倉スタイル…ってこと…?
- 良い意味で歴史モノの堅苦しさを感じない演出が面白い
- とにかく可愛い時行
- 時代が時代なのでいろいろ容赦ない(子どもが犠牲になる話がダメな人は回避推奨)
烏は主を選ばない
八咫烏の末裔が住む異世界・山内。そこに住む少年・雪哉は、謎に包まれた皇太子・若宮に仕えることになる。ときを同じくして、皇太子の后を選出すべく、4大貴族の姫たちが桜花宮に集められる。それは皇太子をめぐる陰謀の始まりだった。
(2024年放送/監督 京極義昭/脚本 山室有紀子)
累計200万部突破・阿部智里の大人気小説「八咫烏シリーズ」待望のアニメ作品。平安時代の宮殿をイメージした和風ファンタジー世界で、ドロドロの権力争いが繰り広げられます。マンガ化している「烏に単は似合わない」と時間軸を同じにした作品なので、「烏に単は〜」のほうを読んでいるとより面白く見られるかも。
ぶっちゃけ権力争いや陰謀云々はあまり新しさはないです。でも后の座を争うことになる4人の姫たちがそれぞれ魅力的!若宮サイドより姫たちサイド(画像の4人)のほうが見応えあります。
あと恋愛色はほぼなくて、雪哉の視点を通したミステリー色のほうが強め。権力争いと恋愛を並行させてる作品をみると「んなことやってる場合かーー!」となる方にもおすすめです。
- ミステリー色が強め
- 一応後宮ものではあるが恋愛要素は控えめ
- 雪哉がザ・主人公な設定なので、見ていて安心感がある
蟲師
植物でも動物でもない原生体「蟲」。人の生きるこの世に「蟲」が紛れ込んだとき、常識では説明できない不思議な現象が現れる。蟲を専門に扱う蟲師のギンコは、蟲の引き起こす現象に巻き込まれた人々と出会い、その苦しみを解決していく。
(2006年放送/監督 長濱博史/脚本 桑畑絹子、伊丹あき、山田由香)
原作は漆原友紀氏の同名漫画です。漫画の世界観の再現が素晴らしく、原作ファンからも評価が高いアニメです。実写映画のほうは悪い夢でしたね。
舞台は明治くらいの架空の日本。主人公のギンコが旅の途中で出会った人と蟲を1話完結形式で描きます。
蟲という生命体が、習性はあっても自我はない“自然”そのものとして描かれているのがポイント。蟲によって不幸になっても「運が悪かったとしか言えない」って空気が絶妙です。派手なアクションシーンはなく、ギンコさんが助けられる範囲なら助ける、手遅れならせめて予後がマシになるように手を貸す……という侘び寂び感たっぷりで話が進みます。
私のおすすめは「一夜橋」です。
- 1話完結形式なのでどこから見ても良い
- 子ども向けに脚色されていない日本昔話を見ている気分になれる
- 秋や冬の夜長にじっくり視聴するのがおすすめ
モノノ怪
人の情念や怨念により生まれ、怪異を引き起こすモノノ怪。モノノ怪を斬ることができる“退魔の剣”を携えた謎の男・薬売りは、諸国を巡りながら怪異を探している。退魔の剣を抜くために、薬売りはそのモノノ怪が生まれるに至った凄惨な過去を解き明かしていく。
(2007年放送/監督 中村健治/脚本 ヨコテミチコ、小中千昭、高橋郁子、石川学)
2006年に放送されたホラーアニメ「怪〜ayakashi〜」の1エピソードが反響を呼び、正式な1クールのアニメとなった「モノノ怪」。2024年にはアニメ映画化もされています(画像は劇場版のもの)。
映画化までの経緯を見ればわかる通り、原作なしのオリジナル作品ながらめちゃくちゃ根強いファンがいることで有名な作品です。圧倒的な映像美と人間の闇を鋭く描く作風は、いま見ても唯一無二の神アニメ。
あらすじで退魔の剣とか書いてるけれど、メインは「なぜこのモノノ怪が生まれたのか」を解き明かす謎解きパートです。最後に薬売りさんが退魔の剣でズバーってやるんだけど、もうそこは最後のサービスシーンっていうか、真相が見えてきて「人間こわっ」てなるのがサビ。
2〜3話で1エピソードが描かれて、主人公の薬売りもストーリーテラー以上の設定がないので、どのエピソードから見てもOK。解釈が難しい場合は、ガチファンがたくさん解説書いてるので読んでみてください。
圧巻の映像美については15周年記念のPVを見るのが手っ取り早いです。
- 平成の生んだ神アニメとして名高い傑作
- 2〜3話で1エピソードが完結するため、視聴しやすい
- 性的な匂わせがあるので子どもの視聴は注意。直接描写はないが大人は察するレベル
ちなみに映画の感想も書いてるので、ぜひ見てみてください。